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令和4年度七飯町教育行政方針

はじめに

 令和4年第2回七飯町議会定例会の開会にあたり、本年度の七飯町教育行政方針の概要について申し上げます。

 今年も、教育大綱として策定した教育振興基本計画(令和3年度~7年度)に基づき教育行政を推進してまいります。

 学校教育にあっては、すべての子どもたちに夢をもつことの大切さを育む教育を、さらにその夢を実現できる力を身に付けさせる教育を目指します。

 生涯教育にあっては、「夢があるからこそ人は努力する、夢をもつことが今を楽しく生きるための第一歩である」を基本に、年齢に関わらず夢と希望を抱き続けられる教育を推進します。
 
また、地元卒業生の入学者数の拡大、定員確保を図るため、行政担当部局と連携しながら七飯高校の魅力化アップについて検討を始めます。

 一方、大変厳しい財政状況の中、事務事業の見直しは必須の課題です。子どもたちや町民への影響に配慮しながら、見直しを行ってまいります。

教育基本方針

 教育は、豊かな人間性と創造性を備え、社会の発展に貢献する人間を育成するという「人づくり」の使命を担うものであります。
 新型コロナウイルス感染症対策を行いながら、本年度も学校教育の充実をはじめ、生涯学習の推進や生涯スポーツの振興、地域色豊かな伝統・文化の継承や文化財の保護などの施策を実施してまいります。

令和4年度の主要施策

 令和4年度において、七飯町教育委員会が教育振興基本計画に基づき取り組む主な施策について申し上げます。

第1 開かれた教育行政の推進

 町民の信頼に応える教育行政を推進するため、七飯町総合教育会議との連携や教育委員会議の公開、情報発信、教育行政方針の点検・評価及び公表を行い、地域に根差し開かれた教育委員会を目指します。

第2 幼児教育の充実

 幼児期の教育は、能力開発、身体育成、人格形成、情操と道徳心の涵養にとって極めて大切な時期であり、子どもたちの生涯にわたる資質・能力の向上に寄与するものであります。教職員の資質向上はもとより、家庭から幼児教育施設、幼児教育施設から小学校への円滑な移行、家庭や地域、関係機関が一体となった幼児教育の推進に努めてまいります。

第3 学校教育の充実

 感染症の状況を見極めながら新しい常態、いわゆる「ニューノーマル」な教育を実現するため、全児童生徒に配布されたタブレット端末の有効活用や、持続可能な特別活動として見直しを図った学校行事等の定着を目指します。

1 学校経営の充実

 学校評価等を生かし、校長のリーダーシップのもと教育課題解決のため、全教職員の創意が発揮できる協働体制の確立に努めます。渡島教育研究所や七飯町教育研究所と連携し、教職員の資質向上や学校経営の改善等に努めます。
 働き方改革を進め、教職員にとって働き甲斐のある学校を目指すには、地域や保護者の理解と協力が不可欠です。中学校区単位でのコミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な取組を推進します。併せて教職員の勤務実態について理解を深めてもらうため、時間外在校等時間を公表します。

2 基礎・基本の確実な定着に向けた指導の充実

 児童生徒の育ちと9年間の学びの連続性を大切にしながら、各学校の重点教育目標達成に向けた特色ある教育課程を編成・実施するとともに、本年度も学習支援員を配置し、習熟度に応じたきめ細かな学習指導を行い、全ての児童生徒に基礎・基本の確実な定着と活用する力を育て、誰一人取り残さない教育を目指します。
 また、学力向上には、家庭での学習習慣の確立が不可欠なため、引き続き各家庭にリーフレット「七飯町家庭学習の手引き」の積極的な活用を促します。

3 道徳教育の充実

 実社会や実生活との関わりを考える中で、命を大切にする心や規範意識を育成します。
 また、ボランティア活動や体験的な活動を推進し、自発的な福祉活動や地域に根差した活動を通して豊かな人間性を育てます。

4 いじめ対策の充実

 「いじめ」は絶対に許されないことです。一方、学校に携わるすべての関係者が、「いじめはどの子どもにも、どの学校でも起こり得る」という意識を常に持ち続け、「七飯町いじめ防止基本方針」のもと、いじめの未然防止、早期発見に努めます。
 万が一いじめが発生した時には、いじめを受けた児童生徒の対応に万全を期すとともに、いじめを行った児童生徒には毅然とした指導を行い、いじめを受けた児童生徒の立場に立った解決を図ります。
 本年度も7月を「いじめ根絶月間」と定め、児童生徒から標語を募集し、いじめ防止等に関する啓発を行います。
 また、児童生徒に対する虐待の早期発見、早期対応を図るため、関係機関との連携を一層深めます。

5 生徒指導の充実

 不登校対策等については、学校教育指導主事、教育支援センター「レインボー」指導員等が一体となって学校と連携を図り、「レインボー」への通級や各中学校に配置しているスクールカウンセラーの活用など、総合的なサポート体制の充実を図ります。
 また、家庭環境等に課題がある場合は、町長部局と連携をとり対応します。
 校外生活における児童生徒の安全安心を確保するため、「七飯町生徒指導推進連絡協議会」の活動を支援するほか、定期巡回や子ども110番の家の拡充等に努めます。

6 学校体育と学校保健指導の充実

 七飯町の児童生徒の体力・運動能力は、低い傾向にあり、引き続き生活習慣の改善と併せて、学校体育の充実、生涯スポーツの基礎づくりを進め、健康な身体づくりを推進します。
 また、心の教育、性教育、食育、がん教育等の推進を図り、児童生徒の健康意識の向上に努めます。

7 特別支援教育の充実

 特別支援教育支援員を引き続き各学校に配置し、児童生徒一人一人の個性や発達段階に応じ、一貫した特別支援教育の充実を図ります。また、幼稚園等や町立学校における校種間の円滑な連携・接続のため、教育支援委員会で適正就学に向けた相談・指導の充実を図ります。

8 環境教育の充実

 七飯町は、ラムサール条約登録湿地のある大沼国定公園や赤松街道など豊かな自然環境に恵まれていることから、それぞれの地域の特性等を踏まえた環境教育の充実を図ります。

9 国際理解教育の充実

 国際社会の一員として信頼され活躍する人材を育成するため、異文化理解に必要な交流活動等への積極的な参加を推進します。
 また、語学教育ではチームティーチングによる英語教育の充実を図ります。
 さらに、小中高等学校の教職員で組織する「七飯町小中高英語教育連携協議会」を継続して支援し、小学校外国語活動・外国語科の充実や中高連携の強化を図ります。

10 防災・安全対策の充実

 施設、設備、通学路の安全点検等、教職員全体で安全な学校づくりに継続的に取り組むとともに、昨年度の通学路点検により対策が必要とされた箇所の注意喚起看板の設置等を進めます。
 突発的に発生する事件・事故・自然災害等に対処するため「危機管理共通マニュアル」を常に見直すとともに、実践的な防災・安全対策を推進します。
 さらに、地域における見守り活動、子ども110番の家、不審者情報ネットワーク、コミュニティ・スクール等を活用し、地域ぐるみで児童生徒の安全確保を図ります。

11 食育の推進

 児童生徒が食の大切さを学び、望ましい食習慣を身に付けることができるよう食育を計画的に推進します。ふるさと教育や地域経済の活性化を図るうえからも、町費による地元産食材を使用した安全安心な給食を推進します。
 給食費については、徴収率の向上を図り、学校給食費会計の安定化を図ります。
 また、最近の物価上昇に対応するためには、給食費の値上げも検討せざるを得ない状況にありますが、コロナ禍における厳しい経済環境を鑑み、町費による補てんで対応することとします。

12 教育環境の整備・充実

1 教育施設の整備について

 教育施設の安全性、快適性の確保のため、学校と連携を密にし、早い段階での維持補修に努め、長寿命化を図ります。

2 学校備品の整備・充実

 学習環境の整備充実を図るため、本年度も計画的に教材備品、情報機器の整備を推進します。

3 奨学金の利用促進

 七飯町育英基金等を活用して就学し、卒業後、七飯町に居住し町内事業所等へ就職した方に対して、奨学金等の返還を支援するため、「奨学金等返還支援事業(仮称)」を創設します。

4 学校事務職員の共同事務室化について

 学校事務職員の業務の効率化を図るため、共同事務室化を進めます。

5 小中学校図書室の地域への開放について

 「地域とともにある学校」を目指し、七重小学校で進めている学校図書室の地域開放を推進するとともに、他の学校での実施について検討します。

6 生理用品の配置について

 昨年度途中から実施した生理用品の学校への配置について、本年度から継続的に実施することとします。

第4 生涯学習の推進

 コロナ禍にあっても感染症の状況を見極めながら、町民の学びを保障するため、この2年間で実践してきた感染症対策を、より発展・充実させ持続可能な生涯学習環境の創出を目指します。
 第4次七飯町社会教育中期計画(令和3年度~令和7年度)に基づき、引き続き町民一人一人が地域の自然や歴史・文化に親しみながら、生涯にわたり学び続けることのできる生涯学習推進体制を確立します。
 併せて、子どもたちの健やかな成長のために、家庭や地域が一体となって健全育成に取り組むことができるよう、地域の教育力の向上に努めます。
 また、郷土の発展に欠かせない文化意識の向上と文化財の保護・活用など、文化施策を積極的に推進します。

1 生涯学習

 成人年齢が18歳に引き下げられたことから、昨年度まで成人式として行っていた新成人を祝う式典は、名称を「二十歳を祝う会(仮称)」に改め、引き続き20歳に到達した町民等を祝う式典として実施します。
 昨年度は、成人式以外の多くの文化的事業が中止となりましたが、感染症の状況を見極め持続可能な開催方法を検討します。
 昨年度途中から実施した生理用品のトイレ等への配置について、本年度から継続的に実施します。
 老朽化が目立つ社会教育施設については、生涯学習の推進と利用者の安全を確保するうえからも計画的な改修と効率的な整備を図ります。
 また、図書館については、第5次七飯町総合計画に基づき、施設整備について検討を進めてまいります。 老人大学については、本年度参加者が増加しており、周知活動などの成果が見えつつありますが、さらに高齢者が生き甲斐をもって参加したいと思える老人大学を目指し、老人大学自治会と連携しニーズに合わせた講座内容等について検討します。

2 青少年の健全育成

 七飯町が、力強く発展していくためには青少年の健全育成が不可欠です。体験・交流活動、社会活動等への参加を促し、郷土を愛し、明日の七飯町を担う心豊かで、心身ともにたくましい青少年を育成します。
 また、子どもの安全安心な居場所づくり、健全育成を推進するため、子ども会活動やPTA活動の支援、子どもの社会性や人間性を育むための文化体験など青少年育成事業を推進します。

3 家庭と地域の教育力の向上

 家庭教育は、子どもの基本的な生活能力、豊かな情操、他人に対する思いやりや善悪の判断などを身に付けるうえで大変重要な役割を果たします。
 家庭、地域、学校の連携を強化し、子育て環境を充実するとともに、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な取組を推進し、子どもの健全育成を目指します。

4 文化・芸術の振興

 芸術文化、生活文化、伝統文化など各分野の振興を図るため、各種文化芸術団体等への支援を通じて創作活動を奨励します。また、文化芸術活動に対する助成制度などを活用し、幅広く町民を対象とした芸術鑑賞の拡充や提供に努めます。特に、子どもの頃から質の高い文化芸術に親しむことは情操豊かな心を育むためにも必要なことから、本年度は劇団四季による「こころの劇場」鑑賞会をリモートにより小学校高学年を対象に開催します。

5 文化財の保護・管理の推進

 文化財は、風土や自然、そして、そこに住む人々の営みの中で育まれ、長い歴史の中で守り伝えられてきた町民の貴重な財産です。保存整備と積極的な活用を図ります。
 埋蔵文化財のほか民俗資料の展示施設として位置づけている七飯町歴史館において、体制の充実を図るとともに多角的な視点からの企画展、講座等を開催し、地域の歴史や文化に触れる機会を提供します。

6 生涯スポーツの推進

 いつでも、どこでも、だれもが気軽にスポーツに親しみ、楽しめるよう環境整備に努めます。
 老朽化が目立つ七飯町スポーツセンター及び町民プールについては、今後の改築に向け関係者と新体育施設に求められる役割や主な施設機能などを検討してまいります。
 東大沼多目的グラウンド(トルナーレ)については、作業用スポーツトラクターを更新し、施設整備充実を図ります。
 また、子どもたちのスポーツ離れを防止し、体力向上を目指すため、初心者向けスポーツ教室や競技会などを開催し、運動の習慣化を図ります。プロチームや実業団のスポーツ合宿誘致を積極的に進めるとともに、チームや選手によるスポーツ教室の開催など、スポーツへの興味関心を高めます。

むすび

 以上、令和4年度の教育行政方針について申し上げました。
 無限の可能性を秘めた七飯町の子どもたちは、郷土の明日を担うかけがえのない存在です。
 七飯町教育委員会としては、厳しい財政状況にあっても知恵と工夫と創造で、子どもたちが夢に向かって邁進し、健やかに成長できるよう教育環境の充実に努めてまいります。
 また、町民一人一人が夢と希望をもって健康で活き活きとした人生を送ることができるよう、文化に親しみスポーツを楽しむための生涯学習の環境づくりに取り組んでまいります。
 コロナ禍にあっても感染症の状況を見極めながら、各種事業を継続して実施していくことを重点に取り組んでまいります。
 七飯町議会の皆様並びに町民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、新年度の教育行政方針といたします。


PDF令和4年度 七飯町教育行政方針 (452.1KB)
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お問い合わせ

教育委員会教育総務課庶務係

電話:0138-66-2069

FAX:0138-66-2070

Eメール:411-shomu@town.nanae.hokkaido.jp

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